DeNAの無断転載でまとめサイトの化け皮がはがれた

  • 読むのにかかる時間: 約5分
DeNAの無断転載でまとめサイトの化け皮がはがれた
この記事の筆者:早川朋孝
DeNAの無断転載でまとめサイトの化け皮がはがれた

最近DeNAのお詫び広告をYahooでよく目にする(下写真)。低品質なまとめサイトを「キュレーションサイト」などと銘打って、その実態は安いバイトにノルマを課してつぎはぎ記事を書かせ、盗用の嵐だったらしい。はてなの記事でこんなのがアップされている。DeNAまとめ問題「迷惑料」1件千円の謎 被害者「ちょっと意味が...」。19枚の写真が転載され迷惑料が3000円らしい。金額の根拠がよく分からないが、DeNAの意思としては「転載が多すぎて全体を把握できません。この金額でこの問題から手切れしたいです」ていうことだと思う。さて、この問題によってびくびくしている人たちがいる。Web制作の営業会社だ。

キュレーションサイト(まとめサイト)の電話営業

DeNAは信頼あるメディアの構築がいかに大変かということを痛感しているだろう。たくさんのアルバイトに記事を書かせて浮上するまでに半年から1年はかかったらしい。そしてせっかくSEOの検索上位に出てきても実態がひどいものだったことが発覚した。このことが意味するのは企業が不真面目にウェブのメディア事業に参入しても採算がとれないということだ。こう考えると新聞社の丁寧な取材に基づいた記事は毎日毎日すごいなと思うがそれはさておき、とにかくメディアの運営はそんなに簡単にできることではないのだ。多くの人がきっとそれに気づいただろう。

そこで困っているのがWeb制作のだめ営業会社だ。いまどき「ホームページ作りませんか」と営業かけても断られるからこんな感じで営業してくる。

  • オウンドメディア作りませんか
  • まとめサイトが簡単に作れるシステムがあります
  • キュレーションサイト作ってSEO対策しましょう
  • SEO用の記事が100記事でXX万円です

このように営業トークしているWebの営業会社がある。しかしオウンドメディアの構築がいかに大変かが世にバレてしまったから、得意の営業トークが使いづらくなった。

ちなみにホームページには色々な表現があるがどれも実質は同じだ。htmlというプログラムで記述されていて、場合によってはCMSと呼ばれるシステムで管理されているが、以下のようにどう呼んでもこの基本に変わりはない。

  • ウェブサイト
  • ホームページ
  • ブログ
  • キュレーションサイト
  • オウンドメディア
  • まとめサイト
  • コーポレートサイト

それをさも新しいものであるかのようにだめなWeb制作の営業会社は頑張っているわけだ。彼らは自分ではWeb制作をする技術力がないから、Web制作会社から営業業務を受託しているわけだが(詳しくはオウンドメディア営業に騙されない返しの質問)、なかにはかなりあくどい業者もあるようだ。読売新聞の2/27の記事にこんなのがあった。

詐欺的な手法で利益を上げる業者もある。数年前まで関東地方の業者に勤務していた男性は、他の社員がある企業の悪口を書き込んだ後、その企業に削除請求を促す営業をかけていたという。書き込む際には複数のIPアドレス(ネット上の住所)を使い分けて特定されないようにしていたといい、男性は「企業側にばれたことはなく、確実にもうかった」と打ち明けた。

というわけで、実力のないWeb制作の電話営業は泥沼なのである。赤坂とか新橋の路上で飲食店の客引きのマナーがひどいが、それと同じようなものだ。Web制作の営業会社がやってるのはガンガン電話して「オウンドメディアどうっすか?」「キュレーションサイトやりませんか?」と営業かけまくること。で、リテラシー低い人をかもるわけ。中にはキュレーションサイトの記事だけの販売とかやってる業者もある。誰が書いたのかも分からない怪しげな記事を100記事20万とか売っていて、それで買う会社がいるのだからすごい(ちゃんとしたライターが書いている会社もあるが)。本来、真面目にキュレーションサイトを企業が運営するなら、その会社の専門分野の記事を人数をかけて少しづつ記事を書いていく、というのが正しいキュレーションサイトの運営だ。それを安易に記事を外注してうまくいくはずがない。

まとめサイトが登場した背景

そもそもまとめサイトが登場した背景はスマホの普及が大きいと思う。リテラシーが低い暇な主婦とかが何か調べるときに安易にネット検索するわけだが、検索上位にでてくるまとめサイトもウィキペディアも記事の質や信頼感が低い。でも主婦とか変なおっさんとか、それを鵜呑みにしちゃう。何かもめごとがあると「ココに書いてありますから」と意味不明なネット記事のリンク先を紹介してくる人とかが未だにたくさんいる。

安易にGoogleの検索に頼ったところで、その情報源には誤りがある可能性が高い。仮に医療や法律に関することを調べるなら、それは医者や弁護士など高度に専門な知識を要する内容であって、専門家に頼めばそれなりの費用がかかるのが普通なのだ。家庭用の医学辞典だって購入すればけっこう金額のするものだ。それがネットで検索した途端に無料になるということは、それは信頼がおけない情報源であることを意味する。その道の専門家の手が加わっていないからだ。

結論

キュレーションサイトを安易に作ろうとするサイト運営者も、スマホで気軽に知らないことを調べる人も、どちらも安易すぎる。お金を出してちゃんとした情報源に当たること。これにつきる。信頼できる情報源とは例えば以下のようなもの。

  • 佐藤優、池上彰などの信頼できる専門家の本を買う
  • ずさんなネット記事ではなく新聞を読む
  • 調べる時は辞書や百科事典、有料検索サービスを使う
  • その道の専門家をフォローする こちら参考

こういった努力や金銭的な負担なしに、ただで安易に得られるものなんてなんの価値もないどころか、害をもたらすだけだと思う。

フォローすれば更新情報が受け取れます